仕事をかけもちして働いていた頃の私は、すごく疲れていました。

昼は事務、夜はスーパーそれに加え家事と子育てなど、仕事以外にもやらなくてはいけないことが山積みで、当時は常にイライラして子供に怒ってばかりいたように思います。

夫も毎日頑張って働いてくれているのに、夫の給料がもっと高かったら私はこんなに苦労せずにすむのに...とさえ思っていました。

私がスーパーに行っている間、家でのんびりお酒を飲んでいる姿に涙が出たこともあります。

そんな時、いつものようにスーパーへ仕事に行き、クタクタに疲れて帰ってきた私を待っていたのは『ママ、いつもありがとう。これたべてね』と息子の覚えたての字で書かれた手紙と、不格好な形のおにぎりでした。

きっと、夫と一緒に一所懸命作ってくれたのでしょう。食べてみると、形は悪くても味は最高で、食べながら涙がボロボロこぼれました。

毎日怖い顔で怒ってばかりの妻のために、母親のために、こういう形で気持ちを示してくれたこと、思いやってくれたことが嬉しく、同時に自分が恥ずかしくなりました。

おにぎりを全て食べ終える頃には、私の気持ちはすっかり落ち着いていました。このおにぎりは、間違いなく世界一の美味しいプレゼントです。

どんな高級料理も、このデコボコしたおにぎりには、かなわないでしょう。手紙は、今も大切に持ち歩いています。